ベイプの使い方は意外と簡単!基本からポイントまでを解説
VAPEの使用を始めるにあたっては、まずどのように使えばよいのかということを知っておく必要があります。 VAPEを構成するパーツにはさまざまなものがあり、自分好みにカスタマイズしながらVAPEの奥深さを追求するのもよいでしょう。 また、吸い方を細かく調整することでも蒸気の味や口触りは変わってきます。今回は、VAPEの使い方の基本からポイントまで詳しく解説していきます。
1.VAPEはどんな仕組みになっている?
VAPEはフレーバー付きのリキッドを熱して発生する蒸気を吸い、味や香りを楽しむための器具です。基本的な仕組みとしては、あらかじめ充電しておいたバッテリーから加熱ユニットに電力を供給することでリキッドを気化させています。紙巻きタバコや加熱式タバコとの大きな違いは、原料にタバコ葉を使用していないということです。アイコスに代表される加熱式タバコの場合は専用のスティックやカプセルにタバコ葉が使用されており、主にニコチン摂取を目的として使用されています。一方、リキッドにタバコ葉を使用していないVAPEが使われる主な目的は香りの効果でリラックスしたり、減煙や禁煙を試みたりすることにあります。
とはいっても、VAPEのすべてのリキッドがニコチンフリーというわけではありません。ニコチン入りリキッドは海外からの個人輸入という形であれば購入することができます。ただし、他人への譲渡や販売は法律で禁じられており、輸入できる量も月間120mlまでという制限があるので注意が必要です。また、VAPEに構造がよく似ているプルームテックのタバコカプセルに対応しているデバイスもあり、VAPEでニコチンが摂取したいのであればこうしたデバイスを使うのも一つの方法です。ニコチンが入っていないリキッドについても豊富な商品がそろっているため、ニコチンの有無にかかわらず多彩な味わいを楽しめるということがVAPEの魅力だといえます。
2.VAPEのデバイスの構造
VAPEのデバイスを構成しているパーツは大きく分けて、バッテリー、アトマイザー、ドリップチップの3つです。それぞれのパーツの特性を理解したうえで自分の目的に合ったモデルを選ぶことで、より満足のいくVAPEライフを送ることができるでしょう。ここからは、VAPEのデバイスの構造についてパーツごとに解説していきます。
2-1.バッテリー
バッテリーは加熱ユニットに供給するための電力を蓄えておくためのパーツです。バッテリーはMODとも呼ばれ、大きくメカニカルMODとテクニカルMODの2種類に分けることができます。メカニカルMODは通電する機能のみを備えたシンプルなタイプで、機能が少ない分コンパクトなペン型のものが多いです。テクニカルMODには安全装置や制御基板などが内蔵されており、形としては大きめのボックス型のものが一般的です。
メカニカルMODではバッテリー側の操作で蒸気の量や濃度を調節することができないため、抵抗値などを計算したうえでアトマイザー側のカスタマイズを行う必要があります。適切に扱うためには専門的な知識が必須となるので上級者向けのタイプだといえるでしょう。一方、テクニカルMODでは電圧や電力の調節が簡単に行え、爆発などの事故が起こる心配もありません。そのため、VAPE初心者はテクニカルMODを1台目として選ぶことをおすすめします。テクニカルMODの中には初心者がさらに便利に使える温度管理機能が備わっているモデルもあります。VAPEを外出先で使う機会が多い人は、1度の充電で長時間使用できる容量の大きなバッテリーを選ぶとよいでしょう。
2-2.アトマイザー
アトマイザーは蒸気を発生させるためのパーツです。リキッドをためておくためのタンク、加熱するためのコイル、空気を取り入れるためのエアホールなどの部分から構成されています。コイルの周辺にはウィックと呼ばれる綿が取り付けられており、このウィックにリキッドを染み込ませたうえでコイルに電流を流すことでリキッドが気化します。タンクはリキッドの残量がわかるように透明な素材でできていることが多く、樹脂やプラスチック、強化ガラスなどを用いるのが一般的です。
なお、メンソールやシトラスのフレーバーが付いたリキッドにはプラスチックを侵食する作用があるため、リキッドとタンクの素材の相性を考慮しておくことが大切です。コイルについては、抵抗値が低いものほど多量の蒸気を発生させます。爆煙を楽しみたい人は低抵抗のコイルに対応したバッテリーやアトマイザーを用意しましょう。爆煙でVAPEを使う場合はリキッドの消費が早くなるため、タンクの容量にも注意しておく必要があります。
2-3.ドリップチップ
ドリップチップは直接口にくわえて蒸気を吸い込むためのパーツです。ドリップチップには規格があり、自分の持っているアトマイザーと合わないとジョイントさせることができません。できるだけ多くのドリップチップを試したいのであれば、最も一般的な510規格対応のアトマイザーを使うとよいでしょう。ドリップチップの長さによってVAPEの吸い心地は異なり、長いものでは蒸気の温度がやや低く、短いものではやや高く感じられます。また、内径が細いものほど蒸気が圧縮されて濃度が高くなるのに対し、太いものでは圧縮されていない口あたりの軽い蒸気を吸うことになります。味の濃い蒸気を楽しみたい場合は長く細いものが、爆煙を楽しみたい場合は短く太いものが適しているでしょう。
ただし、短いドリップチップを使うときはスピットバックに注意が必要です。スピットバックとは、熱されたリキッドがはねて液体のまま口に当たる現象のことです。どうしてもスピットバックが気になる場合は、内部がらせん状になっているなど、特殊な防止加工が施された製品を試すとよいでしょう。ドリップチップの材質については、金属製や樹脂製、木製などさまざまなものがあります。金属製は熱くなりやすいが耐久性に優れているといったように、それぞれ一長一短なので自分の目的に応じた材質のものを選ぶことが大切です。また、ドリップチップは汚れやすいパーツでもあるため、吸いやすさだけではなく手入れのしやすさも考慮に入れて選ぶのがポイントだといえます。
3.VAPEを始めて使用するときの準備方法
VAPEを初めて使用する際は、正しい手順で準備をしないと本体が故障してしまう恐れがあります。そうした事態を防ぐためにも、ここからは最初のVAPEの準備方法について学んでいきましょう。
3-1.充電方法
VAPE本体にはバッテリー内蔵タイプとリチウムイオン電池タイプの2種類があります。バッテリー内蔵タイプの充電方法は本体をUSBに接続するだけと非常に簡単です。USBポートがない場合は、変換アダプターを使うことでコンセントから充電することも可能となっています。ただし、規格に合わない電圧で充電をしてしまった場合、故障や事故につながる恐れもあるので注意が必要です。外付けリチウムイオン電池の場合も本体に電池を入れた状態で充電が可能ですが、別途充電器を用意して充電を行った方が安全に充電が可能です。それぞれの充電時間の目安は、バッテリーの容量や急速充電の対応可否、充電方法によって異なります。
3-2.リキッドの入れ方
アトマイザーにはリキッドの注入口が上部にあるトップフィル方式のものと下部にあるボトムフィル方式のものがあります。トップフィル方式であればバッテリーに接続したままでもリキッドの充填が行えますが、最初はバッテリーから外してリキッドを入れましょう。このとき、リキッドが他の部分に入らないように気を付けなくてはなりません。アトマイザーの中央には蒸気を通すための穴が開いています。これは注入口ではないので、この穴にリキッドを入れてしまうと、使用時に液体のリキッドが口に入ったり、内部の通電部分にリキッドがかかって故障したりする恐れがあります。
特に、ニコチン入りリキッドを使用する場合は液体が直接肌につかないように注意しましょう。ニコチンは毒性が強く、肌に触れることで急性ニコチン中毒になってしまう危険があるためです。また、コイルに巻き付けられているウィックに十分リキッドが染み込む前に加熱すると空だきが起こる場合があります。空だきが起こるとウィックが焦げ付いてコイルが使用できなくなるので、リキッドを入れた後は5~10分ほど放置してリキッドが染み込むまで待機しましょう。
4.VAPEの基本的な使い方
使い方は機種によって多少異なりますが、リキッドを充填しながら使うタイプのVAPEであれば基本操作は共通しています。まず、バッテリーボタンを何度か押して電源を入れましょう。電源がオンの状態で、ファイアボタン、あるいはパフボタンと呼ばれるボタンを押すことで通電が行われて蒸気が発生します。リキッドは熱されてから蒸気へと変わるので、十分に気化されたタイミングでゆっくりと吸い上げるようにしましょう。なお、吸っていないときにパフボタンを押し続けると故障の原因となるので注意が必要です。吸い終わったら、バッテリーボタンを長押しするか複数回押すことで電源を切ることができます。ボタンを何回押すのかなど、詳しい操作方法については付属の説明書を参照してください。
5.覚えておきたいVAPEの便利な機能
メカニカルMODには通電する機能しかありませんが、初心者向けのテクニカルMODには便利な機能が搭載されているものもあります。この段落では、覚えておきたいVAPEの便利な機能として可変出力機能と温度管理機能の2つを紹介します。
5-1.可変出力機能
可変出力機能にはVV(ヴァリアブル・ボルト)とVW(ヴァリアブル・ワット)という2つのモードがあります。VVモードでは、既定の範囲内であれば自分の好きなように電圧を調節することができます。すなわち、蒸気の味や量を確かめながら自分好みになるように電圧の微調整が行えるということです。VWモードの場合、設定できるのは電圧ではなく電力、つまりワット数です。出力するワット数を設定したうえでアトマイザーを接続するとその抵抗値を自動で計算し、設定どおりの電力がかかるように出力を調整してくれます。
蒸気の量を決定付けるのは電力の大きさなので、VVモードよりもVWモードのほうが細かい調整を行えるということになります。出力を調整するときは、3~3.5V、あるいは10W程度の小さい数値から始めて少しずつ上げていくと安全です。リキッドがフルーツ系ならば低めの出力が、ミルク系ならば高めの出力がおすすめですが、好みは人それぞれなので使うリキッドごとに自分の口に合う出力を探していくとよいでしょう。
5-2.温度管理機能
VAPEユーザーから高い関心を寄せられている温度管理機能とは、コイルの温度が設定した数値よりも上がらないようにする機能のことです。温度管理機能にはいくつかのメリットがあり、その一つとしてドライヒットが起こらないということが挙げられます。ドライヒットとは、コイル周辺のウィックが焦げ付いて辛い煙がユーザーの喉に刺激を与える現象のことです。ドライヒットはリキッドの供給不足が原因となって起こりますが、リキッドが不足するとコイルの温度が上がるので、温度管理機能によってウィックが焦げる前に電気の供給が止まります。また、ウィックが焦げ付かないことでコイルが長持ちするということも温度管理機能のメリットの一つです。
さらに、必要以上にコイルが熱くならないので消費電力が節約でき、従来よりもバッテリーが長持ちします。そして、リキッドの味は加熱する温度によっても左右されるため、コイルの温度を一定に保つことで常に安定した味が楽しめます。設定温度を決めるときは、150度ほどの低い温度から少しずつ上げていき、好みの味になる温度を探すとよいでしょう。注意点として、温度管理機能はニッケルワイヤーでできた低抵抗のコイルに対応しているアトマイザーでなければ使用できません。温度管理用のコイルの抵抗値は0.16~0.2Ω程度と極めて低く、誤って使用すると危険なので取り扱いには十分注意しましょう。
6.VAPEの使い方のポイント
VAPEの性能を目いっぱい生かし、周りの人に迷惑をかけずに使用するためにも、使い方のポイントを押さえておくことは大切です。この段落では、VAPEをうまく利用する4つのポイントについて解説していきます。
6-1.いろいろな吸い方を試してみる
紙巻きタバコに比べるとVAPEの吸い方には豊富なバリエーションがあり、自分のスタイルに合わせて好きな方法を選ぶことができます。1つ目は口だけを使う「ふかし」と呼ばれる吸い方で、蒸気を口に含んだら肺に入れずにそのまま吐き出します。タバコを吸ったことがない人でも簡単に実践でき、リキッドの味や香りがしっかりと感じられる方法です。2つ目はDL(ダイレクトラング)と呼ばれる呼吸を利用した吸い方です。深呼吸をする要領で蒸気を口にためずに直接肺に送り込むという方法で、大量の蒸気を吐き出すことができます。蒸気を使った遊び、ベイプトリックを楽しみたい場合はこの吸い方をマスターするとよいでしょう。
紙巻きタバコの煙ではできない大量の蒸気で遊ぶベイプトリックはVAPE人気の理由の一つとなっており、技を競い合う大会も世界各地で開催されています。3つ目のMTL(マウストゥーラング)は蒸気を一度口にためてから肺に送るというもので、要するに紙巻きタバコと同じ吸い方です。フレーバーの味や香りが堪能しやすく、禁煙目的でVAPEを使っている人はなじみ深いこの方法で吸うことで目的も達成しやすくなるでしょう。
6-2.前のリキッドの味が気になるならコイルを変える
違うフレーバーのリキッドに交換した後、使用中に前のリキッドの味が感じられる場合があります。これは、コイルのウィックに染み込んでいた以前のリキッドがまだ残っているためです。使っているうちにだんだん前の味は消えていきますが、どうしても気になるときはコイルを新調すれば気にならなくなるでしょう。特に、まったりとした味のスイーツ系から爽やかなメンソール系に変える場合などは違和感が出やすくなります。リキッドが混じって変な味になってしまわないように、最初からコイルを替えておくのも賢明な方法だといえます。
6-3.バッテリーに負担をかけないようにする
VAPEはボタンを押すことでバッテリーからコイルに電気が送られて加熱が行われるという仕組みになっています。蒸気を吸っていないにもかかわらずボタンを押し続けていると、バッテリーに負担がかかって熱くなる場合があるので注意しましょう。バッテリーに負担をかけ過ぎると、故障したり、充電できる容量が少なくなったりする恐れがあります。また、過度な加熱はウィックやコイルの消耗を早めて不要な出費を招くことになります。特に、VG(植物性グリセリン)の比率が高いリキッドはコイルへの供給が遅い傾向があるため、なるべくゆっくりと加熱することを心がけるとよいでしょう。あるいは、温度管理機能を利用することでもウィックの焦げ付きは防ぐことができます。ボタンを押すのは吸うときだけにして、長く吸う場合でもボタンを離す時間をこまめに設けるということを常に念頭に置いておきましょう。
6-4.タバコと同じマナーで吸う
タバコ葉が使われていないVAPEは紙巻きタバコとは異なり周囲の人が受動喫煙の被害を受けることはありません。しかし、すべての人がVAPEの仕組みや安全性を理解しているわけではなく、「タバコのようなもの」というイメージで嫌がられる場合もあります。そのため、VAPEは極力タバコのマナーに合わせて利用することが大切です。まず、VAPEは地下鉄などの公共機関で吸うことはできません。また、飲食店でも利用可能かどうかのルールは店舗ごとに異なるので、事前に確認したうえで使うようにしましょう。ニコチン入りリキッドを使用している人は海外への旅行や出張などの際にも注意が必要です。というのは、ニコチン入りリキッドの持ち込みが禁止されている国もあるためです。現地で刑罰に処せられる恐れもあるので、海外にVAPEを持ち込むときは事前にしっかりと確認しておきましょう。
7.VAPEは手入れやパーツ交換はどうしたらいい?
VAPEを長く愛用していくためには、パーツの交換や洗浄などのメンテナンスをこまめに行う必要があります。この段落では、VAPEのパーツのメンテナンスについて解説していきます。
7-1.コイル
VAPEのコイルは消耗品なので定期的に交換する必要があります。交換するタイミングの目安としては、水蒸気が出にくくなったときや蒸気に焦げた風味が混じってきたときなどが挙げられます。特に問題がない場合でも、蓄積された焦げの成分は蒸気に混じって少しずつ体内に入ってくるため、2~3週間に1度は交換したほうがよいでしょう。コイルは金属製でさびやすいので洗って何度も使うことはできません。なお、コイルは5個当たり1300~2000円ほどの価格で販売されています。
7-2.タンク・ドリップチップ
リキッドの主成分の一つである植物性グリセリンは雑菌を繁殖させやすい成分です。安全にVAPEを使うためにも、タンクやドリップチップを定期的に洗浄する必要があります。リキッドを交換する際は、プロピレングリコールでタンク内部を洗浄するとよいでしょう。ドリップチップや本体の汚れについては、無水エタノールで洗浄すればきれいに落とすことができます。無水エタノールは精密機器の洗浄にも使用できる薬品であり、VAPEの手入れに使っても問題ありません。
8.実際にVAPEを使ってみるには?
VAPEStudioでは気になっている電子タバコをお試しで使ってみることができます。VAPEStudioは電子タバコを専門に取り扱っている実店舗型のショップです。電子タバコに精通したプロのスタッフが常駐しており、自分に合った吸い方について適切なアドバイスをしてくれます。商品を購入した後の相談やメンテナンスにも気軽に応じてくれるため、初めてVAPEを吸う人でも安心して利用できるショップだといえるでしょう。
VAPEの使い方をマスターしよう!
本格的なVAPEであっても、基本的な操作方法はそれほど難しいものではありません。まずは基本的な使い方を押さえたうえで、徐々に自分なりの吸い方を身に付けてカスタマイズしていくとよいでしょう。また、VAPE本体の中には使い捨てのものなどもあり、目的に応じてさまざまなタイプのデバイスが選べます。VAPEStudioで自分に合った製品を探し、スタッフに相談しながらVAPEの使い方をしっかりとマスターしていきましょう。